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『asymmetry』 あとがき

Category連載『asymmetry』について
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日頃より当サイトにご訪問いただき、誠にありがとうございます。
以下の内容は『asymmetry』のネタバレを含みます。まだ本編をお読みでない方はぜひご覧になってから、こちらをお読みくださいませ。


さて、いかがでしたか? 連載はついに終わりを迎えました。やっとエピローグまで辿り着けたことにものすごくホッとしています。
初連載にして、その期間、約6ヶ月…。最後の1ヶ月は頑張りましたが、実生活の忙しさもあって思うように更新ペースを上げられず、予想より時間がかかってしまいました。お詫び申し上げます。
素人の拙い作品に、最後までお付き合いいただいた皆様には、ただ感謝の言葉しかありません。中盤、くじけそうな時がやっぱり何度かあったんですが、多くの拍手や温かいコメントに日々励まされてきました。コメントが上手くないので、返信では伝えきれていないかもしれませんが、私の喜びは深く大きなものでした。
本当に、本当にありがとうございました。

『asymmetry』の原稿を書き始めたのは昨年8月頃でした。実に、1年以上もこの作品と向き合ってきたことになります。
…あれ?昨年?と、お思いの方もいらっしゃるでしょう。その頃はまだ一人で楽しむために文章を書き散らしていただけで、よもやブログ上で公開するようになるとは思っていませんでした。ですから『asymmetry』は、先に発表しました『樹海の糸』や『スカーレット』よりも、構想もスタートも早かったんですね。
(途中書くのを休んでいた期間も長かったのですが…)

私は物語を書くときには必ずプロットを作成するので、ネタ帳なる物が存在します。『asymmetry』の最初のメモは6cm×10cmの小さな紙片でして、そこに挙げたキーワードから人物設定とエピソードの時系列表を作り、さらに章ごとの構成を練って、最終的に約28万字の作品になりました。…感慨深いものです。
エピソードの回収忘れはたぶんなかったと思いますが、これは何だったの?という部分があれば、お気軽にお訊ねいただければ、いつでもお答えしたいと思います。
また今後の創作の参考にしたいと思いますので、皆様のご感想をぜひお聞かせくだされば、と思います。よろしくお願いいたします。


さて、以下に項目を分けて、私見や裏話をつらつらと書いていこうと思います。
…すでに長文ですが、ここからもかなりの長文です(;^_^A


①題名について
今回の話は、つくしが服飾デザイナーを目指す内容だったことから、題名はファッションに関係する用語にしたいと思いました。作中には、過去と現在の対比が多々見受けられたと思います。そこで対称の意を持つsymmetryがまず思い浮かび、あえてその対義語を主題に決めました。章の表題も、糸に関する語句を選びました。


②題材について
服飾専門学校の学生生活についていろいろ書いてきたのですが、実際にはその内情を知りません。その道で働いていらっしゃる方がご覧になったら、“ここは違う”とお思いになる部分も多々あるでしょう。そこは笑って許してくださいませ。
カリキュラムについては、いろいろな専門学校のホームページを参考にしました。用語については、服飾業界における共通用語のみを使用しているつもりです。


➂つくしについて
彼女が懸命に夢を追う姿には、読者の皆様より多くの応援と共感をいただきました。改めまして、ありがとうございます。
つくしは『fairy』に就職して自分の夢を叶えるとともに、師である東八千代の遺志を継承しました。会社における彼女の役職や、今後の活躍についてはあえて触れませんでした。物語は、40歳の類と39歳のつくしの再会シーンで終わっています。
最初の案では、つくしが『fairy』から独立し、菜々美と羽純とともに会社を興す展開を考えていました。しかし、つくしが『fairy』を代表するデザイナーとなって活躍する姿の方が、よりリアルに感じられたのでそちらを選びました。
彼女が、八千代先生のようなトップデザイナーにまで昇りつめたかどうかは、皆様のご想像にお任せします。

プライベートでは、つくしは2児の母になり、また友人達との交流も続いています。終盤、類をフランスに単身赴任させるという選択は、これまたドライに映ったかもしれませんが、互いの仕事を尊重するのならあり得る選択だと思いました。
離れていても、二人の心はいつでも繋がっています。


④類について
私は類のファンではありますが、つくしと出会う前の彼については、ひとりの人として優れていたとは思っていません。第2章の類の言動や考え方は、17歳の頃の彼を強く意識して書いたのですが、一言で言ってしまえば、あの無感情で合理的なイメージがまるまるそうでした。
原作では挫折を経て、類は素敵な男性に成長したと思います。今作でもそれと同様、多くの苦難を経て成長する彼の姿を描いてきたつもりでいます。私の表現力には多くの課題を残したと思いますが、その意図が少しでも伝わっていればいいなぁと思います。

たくさんの方に望まれながらも彼の記憶を戻さなかったのは、端的に言えば、記憶を失くし、苦悩する彼が愛しかったからです。
また、作中に多くの“奇跡”を描くことを、私は好みませんでした。稀であるからこそ奇跡にはその価値があり、その整合性を優先したいと思いました。事故からの生還にのみ焦点を絞りました。
つくしが、総二郎がそう予見したように、類は、やがてはかつての類の姿と重なり合っただろうと思います。完璧すぎる過去の自分への嫉妬心は昇華され、己を確立し、立派に自分の人生を生きただろうと。

バッドエンドにはしないつもり…という意志表明は、この辺りの私の考え方をグッドエンドと呼べるのか、自信がなかったからでした。自分としては、幸せな結末に仕上げたつもりでいます。


⑤登場人物達について
作中には多くのオリジナルキャラクターが登場しました。たくさんの人の関わりによって、物語はより複雑化したと思いますが、脇役がいてこそ広がりも深みも出た……はずです(;^_^A
元来しっかり者であるつくしにも、頼れる存在を作ってあげたいという親心から生まれたのが、年上の菜々美、年下だけどつくしよりも世話焼きな羽純でした。二人を書くのはいつも楽しかったですね。
スケッチブックを盗んだ梶山君、つくしを告発した館山さんには、最後までに挽回のチャンスを与えました。なぜ…と思われた方もいらっしゃると思います。ですが、人は時として誤った考えや行動を選んでしまうものなので、それを詫び、償う場面を設けることで、人としての彼らの成長をも描いたつもりでいます。

作中で最も罪深い人物を挙げるとすれば、それは類の母である花沢真悠子だったと私は思います。つくしと真悠子の関係は終始穏やかでしたが、彼女は息子である類に対しては、時に母親として適切な接し方ができないことがありました。そのため、類と両親の親子関係は、つくしが現れるまでは冷ややかなものだったのです。
真悠子は仕事と育児とをうまく両立させられない不器用さを、自身でも自覚しています。2-6の彼女のセリフ、『だから少し意外だったの。…類は、相手の女性には家庭に入ってもらいたい、と望むんじゃないかと常々思っていたから。私がこんなだったから…』という発言はそこから生まれたものでした。
第2章、つくしの愛情を渇望する類の姿は、突き詰めてみれば真悠子が遠因となっていました。フラグとしたこのセリフから、その後の展開を予想された方がいらっしゃいましたら、拍手をお送りしたいです。


⑥医療用語について
類の事故、つくしの胃潰瘍、類の慢性硬膜下血腫…と病院でのエピソードも多かった今作。医学的な知識については、これもネットで調べた情報を基にしています。実際の病態は異なる部分も多いでしょうが、大きく逸脱したものではなかっただろうと思うので、細かい部分はご容赦いただければと思います。


⑦続編について
『asymmetry』については書ききった感がありますので、続編やサイドストーリーについては考えていません。つくしと類が互いを理解し合う3-19をピークに、その後のエピソードもできるだけ添えたつもりでいます。ラスト2話の17年後の世界はぎゅぎゅっと凝縮されてしまいましたが、あれ以上書くとエピローグとして纏まり切らなかったものですから…。
名残惜しさはありますが、完結とさせていただく次第です。


⑧今後の予定について
さて、今後ですが、仕事が再び繁忙期に突入しますので、数日ほどお休みをいただこうと思います。今月末に1年に1度の大仕事がやってくるんです…。今の気持ち、まさしくdownerです(;^_^A

新連載は、11月1日午後10時よりスタートいたします。
題名は『Distance from you』です。

これまで私が書いてきたお話は、いずれも原作分岐または終了後からのストーリーでしたが、次のお話は初めてのパラレル設定です。around30アラサーの二人を描きます。そして、つくしの職業が特殊です。(さて、何の職業でしょう?)
今回は、一人称(私・俺を用いる文章)ではなく、三人称(客観的な文章)文体にしますので、私にとっては新しい試みになります。『asymmetry』ほどの昏さはありませんが、折々に光も闇も盛り込むつもりでいます。
まだ最後まで話を書き終えていませんので、最終回を書き上げるまでは、2日に1回の更新を目標にしていきます。間に合わないこともあるかと思いますが、何卒ご容赦ください。

セオリーにない展開でお話を作っていけたらと、日々願い、挑戦し続けています。しかし、創作とは本当に難しいものです。苦しくも、…楽しいものです。
たくさんの応援をありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。





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いつも拍手をありがとうございます。これからも頑張ります。
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8 Comments

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2018/10/27 (Sat) 22:20 | REPLY |   

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2018/10/27 (Sat) 23:20 | REPLY |   
nainai

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桜様

こんばんは。コメントありがとうございます♪♪

ついに連載が終わりました。私自身もこんなに長期化するとは…という感じでしたが、次回作も長くなりそうな予感でいっぱいです(;^_^A
更新を楽しみにしていただけたとのこと、本当に嬉しい言葉です。登場人物達には、原作の流れを割と重視して、それぞれにスポットを当てて活躍させたつもりですので、馴染みやすかったのではないかと思います。とくに、あきらは大活躍でした!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました<(_ _)>

原作の漫画は37巻を読むと類が切なすぎて、二次創作で頑張らねば~と気持ちが奮い立ちますw
次回作もどうぞよろしくお願いいたします。

2018/10/28 (Sun) 00:11 | REPLY |   
nainai

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わ様

こんばんは。先日に引き続きコメントありがとうございます。

二人の関係が壊れていく第2章、それを修復する第3章、どうにか落ち着くところに落ち着きました! わ様にもご満足いただけたようでホッとしています。どうなってしまうのか、とすごく気を揉ませてしまいましたよね。キャラクターの書き分けも、個人の特性を活かしながら上手くできたようで良かったです。
“実際にも起こりうる物語”と仰っていただけたように、今作は創作ですがリアリティを細部まで追求した作品でした。細かい描写も非常に多かったと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました<(_ _)>

次回作はアラサーの二人です。どんな物語になるのか…。もちろん意外性を求めていきたい気持ちがあるので、“そう来たか…”と思っていただけたらなぁと思います。どうぞお楽しみに…(*´ω`*)

2018/10/28 (Sun) 00:28 | REPLY |   

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2018/10/28 (Sun) 07:47 | REPLY |   
nainai

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ma様

おはようございます。コメントありがとうございます。
サイト開設の際はお祝いメッセージをいただきましたね。
ファンと言っていただけて恐縮です(*ノωノ)

『asymmetry』は長編になりました。長らくのお付き合いになったかと思います。
記憶喪失という花男二次ではありふれたテーマを選んだのですが、着地点は違うものにしたいなという狙いがありました。紆余曲折ありましたが、幸せな結末に繋げることができてホッとしています。
離れていても二人の心はいつも一緒に在ります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました<(_ _)>
次回作もよろしくお願いいたします。

2018/10/28 (Sun) 09:28 | REPLY |   

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2018/10/28 (Sun) 12:48 | REPLY |   
nainai

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さ様

こんにちは。コメントありがとうございます。

ついに最終回を迎えてしまいました。大切な過去の記憶を失くしてしまっても、どうしても惹かれ合う運命を描きたいと思いました。頭の中にある世界観を伝えるのにかなり苦労しましたが…(;^_^A エピローグで、深く想い合う二人の姿をお届けできて、自分でもホッとしています。金木犀の咲く10月に間に合って良かったなぁとw
最後まで読んでいただき、ありがとうございました<(_ _)>

これからも丁寧な表現を心掛けていきたいと思います。
次回作も頑張りますので、よろしくお願いいたします。

2018/10/28 (Sun) 14:59 | REPLY |   

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