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『Distance from you』 あとがき

Category『Distance from you』 本編
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いつも当ブログにご訪問いただき、誠にありがとうございます。
以下の内容はネタバレを含みますので、まだ本編をお読みでない方はぜひご覧になってから、こちらをお読みくださいませ。


2018年11月1日から始まった連載『Distance from you』、ようやく完結しました。
全140話、約31万字の作品になりました。小冊子が発行できそうですw
連載期間は当初の予定を大幅に超え、なんと8ヶ月間。5月12日から毎日更新にしていなければ、もっとかかっていましたね…。

長きに亘り、お付き合いくださいました皆様には感謝の言葉しかありません。
連載中、たくさんの拍手&温かいコメントを頂戴しました。
エピローグの『読了』の拍手数が仰天してしまうほど多くて、これほどたくさんの方に作品を読んでいただけたのだな、と感無量でした。
創作活動を支えてくださり、本当にありがとうございました。


今作の原稿を書き始めたのは2018年9月頃、前作『asymmetry』の仮原稿が終了してからでした。長い執筆期間を通じて、愛すべきオリキャラ達にも親しんでいたので、もう彼らを書くこともないのだなぁと思うとやっぱり寂しいものがあります。それでも今作も書き尽くした感がありますので、続編も番外編も考えておらず、完結とさせていただく所存です。

連載が長期に亘ったため、途中から文末に過去のどの話とエピソードが関連しているかをリンクしておきました。伏線の回収漏れはないつもりですが、これは?と思うことがあれば、お気軽にお訊ねくださればお答えしたいと思います。




以下に、項目を分けて私見&裏話を書いていきます。
ここからかなりの長文ですので、お時間があるときにでも。



1.題名について

直訳すれば『あなたからの距離』。もちろん類とつくしの関係性を示した言葉です。エピローグの最後、『あなたとの間には、いかなる距離も感じない。』の一文を入れたいがためにつけた題名でした。

また、広義にも捉えられるようにつけた題名でもありました。類との交際を通じて、つくしと周囲の人達との距離は縮まったり遠くなったりしました。類の方は、主に自分の家族との距離ですね。
本編では二人の出会いから8年間を綴っており、この距離が種々様々に変化していきました。そこをできるだけ丁寧に追ってみたつもりです。



2.題材について

つくしの仕事は獣医師でした。そして私はその分野については専門外です。本やテレビやインターネットでいろいろと勉強しましたが、現場の方から見れば実際と異なることも多々あったのではないかと思います。可能な限りでリアルを追求したつもりですが、細かい部分の誤りはどうぞご容赦くださいませ。

折々に動物との触れ合いを描いた作品でしたので、連載中は多くの体験談を寄せていただきました。皆様の愛犬・愛猫達の様子が窺えて楽しかったです。どの体験談も有り難く拝見いたしました。改めまして、ありがとうございました。



3.つくしについて

前作『asymmetry』の反動からか、類をクールにあしらうつくしを書きたいと思ったのが、今作の人物設定のきっかけでした。
幼い頃からの夢を叶えて獣医師となり、真摯に仕事と向き合うつくし。志摩との不義の関係に苦悩し、別れた後、男性へは忌避感を抱きながら生きてきました。類との出会いを経て、過去を乗り越えようとする姿には多くの応援が寄せられました。

つくしについては、彼女の外見を美しく描かないことに留意しました。周囲の目を引くような美人ではない。女性らしさには欠け、スタイルも平凡。けれどハッとさせられるほどの寛容さや芯の強さ、つまりは人間的な魅力がある。そうした部分を強調したつもりでいます。
もちろん彼女に恋をした類や、志摩の視点は違いましたが…。

前作ではあえて書かなかった結婚式、そして出産のシーンを書きました。最終的に、二児の母となるつくし。類を、子供達を、そしてシロン達を限りない愛情で包みながら、その生涯を獣医師として懸命に生きただろうと思います。



4.類について

今作における類はとにかく一途! その一言に尽きると思います。
そして、有言実行の人でもありました。
どんな苦境も意に介さず、徹頭徹尾ブレることなく、つくしへの愛を貫きました。この辺りも前作の反動が強く出ていると思います。
つくしにまったく相手にしてもらえなくても、なんとか彼女に近づこうと奮闘する姿には多くの応援が寄せられました。どうすればストーカーっぽくないようにできるか苦労した記憶があります。接し方によっては紙一重ですからね💦

類は策士というのが通説ですが、私の思考回路ではあのように動かすのが精一杯でした。同様に賢く、癖の強いキャラが多かったので…。最後に笑うのが類一人、というようには描けなかったのですが、概ねWIN-WINにはなったかと。

また今作では、獣医師として奮闘するつくしを支えるために、結婚後には主夫となる彼を書きました。仕事はセーブし、子供の成長を間近で見守る優しい父親となりました。彼が本気になれば家事一般は難なくこなすだろう、というのは私の持論です。この辺りの設定も新たな試みだったかと思います。

後々、IT事業のデータ解析分野で本領を発揮していく類。その後の活躍の詳細を書くには、私自身の勉強が足らず諦めました。経済界へと戻っていく可能性もまだ残しています。いずれにしても、類は一番欲しかったものを手に入れました。



5.登場人物達について

たくさんのオリジナルキャラクターを登場させました。
どのキャラにも愛着がありますが、以下の4人について書こうと思います。


①花沢統
統は他人からはおおよそ理解できない思考回路の持ち主でした。相手を極限まで追い詰める、自他に厳しい孤高の人です。
唯一の理解者になれそうだった最初の妻、栞を癌で失い、その病の克服を人生の命題として彼は暗躍するようになります。先代から託された花沢物産を次世代に継承するために、彼なりの最善策を講じた結果があのような形でした。

彼にあっては家族愛に基づいた行動だったとは言いません。すべては合理主義。彼自身が愛の何たるかをまったく理解できていないからです。そうした欠落は若き日の類にも通じており、統自身の生い立ちにも大きな問題があっただろうことを窺わせます。
人間的な欠落を表現することは非常に難しいです。本人にとってはそれが普通ですからね。統視点を書こうとして諦めた経緯にはそうした事情がありました。


②志摩久志
お叱りを受けそうですが、志摩を書くのはいつも楽しかったです。彼の登場シーンはすごい勢いで執筆しました。頭の中のイメージが強かったんですね。
つくしを深く愛しはしましたが、刹那主義の代表格のような男でした。それでも、世が世なら二人は結婚していたと思います。不倫をする側の男性心理を追ってみましたが、正直、難易度は高かったですね。そして、志摩の奥さんが可哀想で忍びないです。

志摩には厳罰がなかったかのように見えますが、研究を成功させることにしか存在意義を見出せない生き方は、それなりに苦しいものになるだろうと思います。不倫に関しては、実はつくしの方も社会的な罰(例えば、元妻からの慰謝料請求など)を受けてはいないので、志摩だけに制裁を行うことは断念しました。


③西洞院多津子
生家からの使命を胸に花沢統の後妻となり、後に離縁する多津子。統に認めてもらえない現状に失望し、やがて兄と花沢物産の乗っ取りを画策するようになります。社内の権力を掌握するため、彼女はありとあらゆる手段を講じました。土屋常務との関係は、文中で確定させませんでしたがクロです。女性ながら、なかなかの策士で曲者でした。
類とは馴れ合わない姿勢を貫きましたが、最後は耀への力添えに感謝できるまでになりました。類の能力に感服した、というところでしょうか。

第138話に描いたように、真相を知った後も、すべてをひっくるめて多津子は統を愛しています。愛憎は表裏一体。誰にも心を開けない統でしたが、そうした不器用な生き方を理解できるとしたら、やはり彼女だったのかもしれません。
“自分の気が済むまでは傍にいる。飽いたら去る。”
多津子のプライドが言わせた主張ですが、実に彼女らしくて私は好きです。


④中條紗穂
紗穂は、今作で一番難解な役どころでした。第116話以降は何日も執筆が進まず苦労しました…。二次小説の中では、類のみならずF4の過去の交際相手は軽く扱われがち、という印象がなんとなくあります。そこに一石投じてみようと挑戦したのが“紗穂の救済”という最後のヤマでした。この部分、入れるかどうか物凄く悩みました。
初設定で類と紗穂は結婚していましたが、離婚のダメージを考えると、紗穂の身の上があまりに可哀そうなのでそこは設定を変えました。

紗穂は類を愛していたわけではありません。類への執着は、矜持をひどく傷つけられたことに端を発しています。彼女は生家の傀儡かいらいであり、またそのことに本人が無自覚であったために、後々、多くの苦悩や葛藤を抱えることになりました。
つくしはそんな彼女を理解しようと努め、束縛を断ち、更生への道筋を示します。


多津子と紗穂に共通して言えるのは、生家(両親や兄弟)のマインドコントロールが非常に強かったことです。違っていたのは、多津子は自分の意思でそれを受け入れ、紗穂は残念ながらそれに無自覚だったことです。
最終的に二人はその束縛から解放されて、自分の人生を生きるようになります。決して好まれるキャラではなかっただろうと思いますが、各々の自立を描くことができて個人的にはとても満足しています。



F3と滋についてはそれぞれに大きな役割を振れたと思います。意外に滋が奮闘。また総二郎の社外取締役就任には驚かれた方もいらしたかと思います。『あの世渡り上手なら適任だな~』なんて一人納得してしまって。皆の特性を生かしながら、各々をカッコよく描きたいと思いましたが、いかがだったでしょうか? 
目論見が成功していれば本望です。



6.会社経営について

会社法について自分なりに勉強したつもりですが、とにかく難しかったです。あれもこれも専門外。大筋では誤ってはいないと思いたいので、細かい部分の誤りはどうぞご容赦ください。とりあえず言えることは、今後発表する作品にはこの辺りに触れる話は書かないということです。まさに完全燃焼…。




二作品の連載を通じて感じたことは、つくづく自分は長文書きなのだなぁということです。しかし、長期連載というものは読者様のニーズに合う形だろうか、という自問がこの数ヶ月ついて回りました。連載に付き合っていただくということは、細かい設定などを長きに亘って覚えておいてもらわないといけないわけですから、さぞご負担だっただろうな、と。
その辺りの反省を活かしながら、これからも創作活動を続けていく所存です。


長くなりましたので、今後の更新予定については明日UPします。現況報告や、新しい連載についてのご案内もありますので、ぜひお読みいただければ…と思います。



最後になりましたが、連載及びあとがきをお読みくださいました皆様に、改めまして深く御礼申し上げます。応援ありがとうございました!


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2 Comments

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2019/06/30 (Sun) 09:11 | REPLY |   
nainai

nainai  

ゆ様

こんばんは。コメントありがとうございます(*'ω'*)

長編でも好きだと仰っていただけてとても嬉しいです。励みになります~! 今、頭の中で組み立てている話もパラレルの長編で、構想を練っている最中なのです。これまた登場人物が多くて時系列が複雑なんです…(;^ω^) いつ公開になるかは分かりませんがコツコツ執筆していこうと思います。

次回作については、今夜の更新予定に詳細を書いておりますのでどうぞご覧くださいませ。まだ最後まで書き終わっていないので、しばらくは隔日の連載になると思います。ぼちぼち頑張ります!

2019/06/30 (Sun) 18:51 | REPLY |   

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