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視線 ~後書き~

Category*『視線』~完~
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いつも当ブログにご訪問いただき、誠にありがとうございます。
以下の内容はネタバレを含みますので、まだ本編をお読みでない方はぜひご覧になってから、こちらをお読みくださいませ。


2019年7月7日から始まった連載『視線』、ようやく完結いたしました。
『本編』89話、『Intermission』6話、『番外編』1話の全96話、約22万字の作品になりました。予定より話数が伸びましたが、書きたいことは書き切れましたし、起承転結はプロット通りの展開だったので満足しております。

約半年に亘り、お付き合いくださいました皆様には心より御礼申し上げます。
連載中、たくさんの拍手や温かいコメントを頂戴しました。
今回は私生活での多忙も相まり、秋以降は睡魔との闘いの日々でしたが、皆様の励ましを受けながら、なんとか年内完結に漕ぎ着けることができました。
創作活動へのご理解とご支援、本当にありがとうございました。


今作の原稿を書き始めたのは5月頃、前作の仮原稿が終了してからでした。
50話程度の中編のつもりで書き始めたのですが、オリキャラの背景を深めていくうちにエピソードがどんどん増えていきました。特に周と圭悟の二人ですね。今作も書き尽くした感がありますので続編は考えておらず、完結とさせていただく所存です。

番外編をお送りしましたのは、本編はつくしか類の視点の話で統一したかったため、圭悟視点の話を書くならばこの形が妥当だと思ったからです。エピローグの章を書き進めながら、圭悟視点の話がどうしても書きたくなり、最終話から更に5年後の世界を描くことにしました。
あ、類の出番がなくてすみません💦

伏線の回収漏れはないつもりですが、あえて曖昧なままにしている事項もあるので、これは?と思うことがあれば、お気軽にお訊ねくださいね。



以下に、項目を分けて私見&裏話を書いていきます。
ここからかなりの長文ですので、お時間があるときにでも(*^^)v



1.主題について

物語を読んでいると、誰しも必ず目にする単語があります。
『視線』という単語も頻出の一語ではないかと。

視線は無形だけど、質感も温度も色もあるよなぁ…。
HIT記念SSのネタを考えながら思いついたのがこの一文でした。

今作では、本編第1話の冒頭と最終話の末文に、『視線』についてのつくしの見解を重複させています。本編は、類とつくしの交際開始から、第一子となる玲央の出産直前までの約10年の軌跡です。その中で、高校生だったつくしが社会に出てアイデンティティを確立し、数多の視線には負けないと思えるようになるまでの成長を綴っています。

『私はもう恐れない。』
この一文を、本編の最後に入れたかったのです。
タイトルは、つくしが克服すべきものとして命名しました。

また類についても、対人関係の不得手を克服しようと努力し、優秀な企業人に成長していく様を並行させています。情緒面の変化も目覚ましかったですよね。類とつくしは、互いの成長を促し合うベストパートナーでした。



2.書きたかったテーマ

今回は原作分岐の物語でした。前作『Distance from you』がパラレル設定だったので、私にとっては原点回帰の意味がありました。しかしながら、この場合、どうしても他サイト様のお話と題材が重なりやすいので、どの点において独自性を出すかが大きなポイントになりました。

私が重視したテーマは主に二つです。
一つは『10代特有の揺らぎ』、もう一方は『牧野家の在り方』でした。

序盤から中盤では、類の配慮不足やつくしの揺れる恋心を中心に描いています。最初から互いを自分の半身だと思えるような意思疎通は不可能なので、ジレジレ展開ながらもゆっくり恋心を育んでもらいました。
中盤から終盤では、二人が別れと再会を経て、大きく成長していく様子を描いています。この間、二人への応援メッセージをたくさんいただきました。青さもまた好し、と感じていただければ本望です。

牧野家のキーパーソンには、パパではなく、ママを選びました。実を言うと、私は原作のパパ&ママがあまり好きではなく、いつも作中にどのように登場させるかで悩んでいます。あまりいい人には書けないし、あまり悪い人にも書きたくないし…。
でも今作では、都という第三者に『アンタ、間違ってるよ!』とキツ~イお灸を据えてもらい、二人にこれまでの行動をしっかり反省してもらいたかったので、あのような展開になりました。



3.つくしについて

一人称形式で等身大のつくしを書きたいと思い、できるだけ細かい心情表現に努めました。徹頭徹尾、類のことが大好きでした。中盤、つくしにはとても苦しい思いをさせてしまいましたが、あの時の冷静な判断と行動がその後の命運を決めました。圭悟がつくしを高評価したのは、実はこの部分だったからです。

新たな試みとしましては、都というオリキャラを通じて「大人」と「子供」の違いを明確にさせました。「子供」らしく、部活動に勉学に励むつくしの姿は、読者様の目にも新鮮に映ったのではないかと思います。個人的には、類への恋情で胸を焦がしながら自転車で疾走する第58話が気に入っています。

今作では、公私ともに類のパートナーを務め、いずれは花沢物産の中核を担っていくだろう、彼女の可能性を示して物語を終えました。実直で、謙虚で、コミュニケーション能力に長けるつくしは、多くの人脈を得て、また社員達にも支えられながら、会社のこれからを盛り立てていくのでしょう。



4.類について

原作の類については、厳格な父親からの命で英才教育を受け、次第に心を閉ざしていく幼少期のエピソードが有名です。それでも会社を継ぐことに対しては反発しておらず、自分の負うべき責務だと理解している旨をつくしに話すシーンがありました。

類は自分の父親に対してどのような感情を抱いているのか。この部分には毎回悩んでいます。結局は、『苦手だけど、嫌いじゃなかった』というスタンスを定めることにしました。それを裏付けるため、圭悟が見せたイルミネーションを原風景として胸に残していく幼い類のエピソードを盛り込んでいます。

今作では、非常に忍耐強く、つくしと同様に努力家である彼の姿を描きました。類が意識改革をしていく第55話、つくしが類の手紙を読み返す第64話には、特別な思い入れがあります。類の持つ“自分は自分。他人なんて関係ない”という孤高のイメージとは違っていたかもしれませんが、自分なりの彼を書くことができたように思います。



5.司について

今作では、『前書き』で、“原作の司の行動の一部をなかったことにしている”と断った上で物語を展開させていきました。私の書く作品では登場シーンの少ない司を、できるだけカッコよく書いてあげたかったからです。

第49話で、司が静岡にいるつくしに会いに行くシーンがあるのですが、もし過去に男女のアレコレがあったら、あの夜のつくしが司のリムジンに抵抗なく乗れるとは思えなかったのです。この部分を違和感なく成立させるためには、どうしても前書きの設定が必要だと感じました。
前述もしておりますが、司に、原作の類の役目を担ってもらいました。自分の恋心は隠しつつ、つくしと類のために利他的に行動する司。俺様のイメージとは違う、こういう彼がいてもいいんじゃないかな…と思いながらの執筆でした。



6.圭悟と周の確執について

番外編を書きたくなったのは、圭悟と周が真の意味で和解したエピソードを入れたかったからです。本編の始まりから約15年後の世界では、圭悟は60代前半に、周は80代後半になっています。

読者様はすでにお分かりのように、圭悟の類に向けた想いも、周の類に向けた想いも、どちらも真剣なものでした。圭悟には、父親として、経営者としての葛藤がありました。それに対し、祖父の周が抱くのは無条件の愛情です。

番外編では、洸を腕に抱いた時、圭悟が無条件の愛情を強く自覚する瞬間を描いています。兄の玲央に対しても同様に愛情を注いでいますが、生まれたての赤ちゃんの愛らしさには、その瞬間にしか味わえない感動があると私は思います。

自分の家族を慈しみ、守り抜く。
周からも託された使命を、圭悟は全うしていくのでしょう。



7.R記事について

今回は10代の恋愛であるため、あまりに官能的な描写は作風にそぐわないだろうと、できるだけマイルドな表現に努めました。それでも、二人で過ごす夜は第82話までに4回もありまして、いろいろと悩んだ末に視点と心情を微妙に変えながら書きました。

第68話  類視点    第一夜  再会後、気持ちを確かめ合う二人
第74話  つくし視点  第二夜  類への欲求を初めて自覚するつくし
第79話  類視点    第三夜  圭悟の理解を得て、嬉しさが高じる二人
第82話  つくし視点  第四夜  類や自分自身の変化に戸惑うつくし

書き出してみるとこのようなコンセプトでした(;^ω^)
一括りにRと言ってもなかなかに奥が深く、この部分に書き分けや独自性を求めようとするのは本当に難しかったです。出来栄えはともかくとして、素人なりに苦心惨憺していたことを知っていただければ、と思います。



8.幸せのその先

『視線』の執筆が終わりを迎えた頃、神尾先生の連載『花晴れ』の第110話で、晴と音ちゃんが気持ちを確かめ合うシーンがありました。前作『花男』では見届けられないままだったので、なんだかとても感慨深く読ませていただきました。やっと幸せになれたのに、この先の物語は読むことができないのだなぁと思うと、最終回の掲載は本当に切なかったです。

私は、幸せの絶頂の“その先”が知りたい人なので、自分の作品では、できるだけ詳細な未来予想ができるように書いています。ただただ幸せしか存在しない展開は、読者様に飽きられてしまうかもしれないと思いつつ、二人はこんなふうに人生を歩んでいくのだ、という方向性を示す最終回をお送りしたつもりです。




さて、今回も長々と失礼いたしました。
最後になりますが、連載及びあとがきをお読みくださいました皆様に、重ね重ね御礼申し上げます。温かい応援をありがとうございました!

明日は大晦日。
今年一年を振り返ってのご挨拶をさせていただきます。
休載前の最後の記事になります。ご一読いただければ嬉しいです。


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6 Comments

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2019/12/30 (Mon) 10:17 | REPLY |   

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2019/12/30 (Mon) 17:10 | REPLY |   
nainai

nainai  

み様

こんばんは。コメントありがとうございます(*´ω`*)
ようやく完結しましたー! 感無量です。

文章について、たくさん褒めていただけてとても嬉しいです。今作は一人称形式だったので、できるだけ簡潔でストレートな表現を心掛けました。日によってはいい言葉が出て来ず、あれこれ悩んでいるうちに寝落ちしてしまうことがありました。目下の敵は睡魔でしたね…(;^_^A なんとかハッピーエンドに導くことができてホッとしています。

頭の中にはまだまだ話のネタが眠っています。類やつくしを活躍させたいなぁ、と。脳内のイメージを文章に起こすのは根気のいる作業ですが、コツコツと書き溜め、いつか皆さんにお届けできたらと思います。
再開の折にはぜひご再訪くださいね。よろしくお願いいたします。

2019/12/30 (Mon) 21:48 | REPLY |   

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2019/12/30 (Mon) 22:32 | REPLY |   
nainai

nainai  

二様

こんばんは。またまたご訪問ありがとうございます。
コメントも嬉しいですー(*´ω`*)

「花男」は、この先にどんな物語が続いていくだろう?という想像を大いに掻き立てるエンドでしたね。次世代となる「花晴れ」の連載もありましたが、ずいぶん前に完結しているにもかかわらず、これだけたくさんの二次小説ブログが存続していることがとても素晴らしいと思います。
私も、類推しの一人としてもう少し頑張っていきたいなぁ…と思います。

いよいよ今年も終わりです。ご多忙の中、お付き合いいただきありがとうございました。よいお年をお迎えくださいね。

2019/12/30 (Mon) 22:34 | REPLY |   
nainai

nainai  

麦様

こんばんは。コメントありがとうございます(*'▽')
連載、楽しんでいただけたようで何よりです。やっと完結しました!

私も気が付けば年末でした…。今日がやっと仕事納めでして…(;^_^A
風邪を召されているとのことですが、日頃の疲れが出ましたか? お大事になさってください。しばらくはブログをお休みするのですが、再開の折には、お疲れの麦様をホッと癒せるような話をお届けできたらいいなぁと思います。

『視線』は10代の恋に重きを置いていたので、ラブ度については控えめで、ちょっと物足りなさを残しました。次は20代の恋愛を書くつもりでいます。更新の際はぜひご再訪くださいね。

いよいよ今年も終わりです。よいお年をお迎えくださいませ。

2019/12/30 (Mon) 22:56 | REPLY |   

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