FC2ブログ

糸の証 ~後書き~

Category『糸の証』
 14
日頃より当ブログにご訪問いただき、誠にありがとうございます。
以下の内容は、『糸の証』のネタバレを含みますので、まだ本編をお読みでない方はぜひご覧になってから、こちらをお読みください。


前作終了から4ヶ月の休載期間を挟み、ブログバースデーである5月1日より始まった連載『糸の証』、ようやく完結いたしました。全44話、約125,000字の作品になりました。3ヶ月半に亘り、お付き合いくださいました皆様には心より御礼申し上げます。連載中、たくさんの拍手や温かいコメントを頂戴しました。創作活動へのご理解とご支援、本当にありがたく思っております。


今回は、新型コロナウイルスによって生じた未曽有の混乱の中での連載スタートとなりました。私生活ではイレギュラーが続き、執筆やPC作業の時間が思っていた以上に確保できず、最終話をお届けするまで脳内が常にビジー状態でした。原稿を書き上げたのは、最終更新の2時間前というギリギリっぷりでして…。なんとか定期更新を保ててよかったです。でも、睡眠時間を削るなどの無理はしておりませんのでご心配なく(*^^)v

読者様にわずかながらでもエンターテイメントをお届けしたい、という思いから始めた連載でした。…が、例によって作品は暗めのテイストですし、がっつり社会派の内容ですし、選んだテーマの重さに苦悩することしばし。もっと明るい題材の物語を提供することもできただろうに…と猛省しているのですが、『今はこれが書きたい!』という率直な気持ちを優先させていただきました。

つくしの仕事が話のメインになってしまったため、類の出番は少なかったと思います。でも、要所要所で、本当に大切な役回りをしてくれた彼です。『糸の証』は完結しましたが、『樹海の糸』はシリーズ化の予定でして、この続編の構想もでき上がりつつあります。続編では類の仕事を話のメインにできるように、そして二人の子供のその後を書いていけるように頑張りたいです。


以下に、項目を分けて私見&裏話を書いていきます。
ここからもかなりの長文ですので、お時間があるときにでも。




1.主題について

今作は『樹海の糸』の続編なので、『糸』という文字を題に使いたいと思っていました。でも、なかなか『証』という続きのワードが出てこなくて、執筆中も長い間、無題の状態でした。皆様のご想像通り、『糸』は人と人の繋がりの意味合いで起用しています。類とつくし、なずなと家族・友人、真尋と家族…と様々な人間模様を描いてきた今作ですが、結びつきの『証』を求めて苦悩する未成年の姿に焦点を当てることにしました。

私の意味するところの『糸の証』は、目に見えないことの方が多いように思います。それでも人同士の繋がりを信じていてほしい、忘れないでいてほしい、と願いながらの執筆でした。そうした心境で物語が書けるのは、私自身を取り巻く愛すべき人々の存在があるからなのだと改めて思います。



2.書きたかったテーマ

今作のイメージソングは、第23話の末尾でも明かしておりますように、『未成年』(Singer:柴田淳、Release:2004年)という歌でした。この詞世界では、未成年である『ぼくら』が抱える弱さや葛藤、“愛していて”という痛烈な願いがとても印象的です。非行や犯罪に傾いていきかねない『ぼくら』の危うさが、なずな・真尋の両名に通じるものとしてリンクさせていただきました。

つくしが、なずなにも真尋にも伝えたことですが、作中に“大人である自分の務め”について語るシーンがあります。でもこれは、大人だからと自分の正しさを押し付けているのではなく、子供達にたくさんの可能性と選択肢があることを示したい、というつくしの願望の表れでした。大人だって誤らないわけではありません。だからこそ、子供達を見守る多くの目、多角的な視点が必要になるのでしょう。



3.つくしについて

弁護士稼業3年目のつくしの奮闘をお送りしました。法曹界ではまだまだ新米です。私は彼女を歴戦無敗の女神として描くつもりはなく、どこにでもいそうだけどそうではない人、というスタンスを目指しています。
ライフ・ワーク・バランスに悩みつつ、類との絆を深め、最後は夫婦で次のステップへと踏み出していく物語となりました。最終的な展開は第41話の二人の会話から概ね予想できたことと思いますが、どの時点で話が終わるかについては少しドキドキしてもらえたでしょうか。

類の幸せを強く願いながらも、有り余るほどの彼の愛情を前に、自分の愛し方に自信が持てないつくし。コンサートの一件もあり、忸怩たる思いを吐露できずに泣いてしまう第28話。…多分ね、類の愛が深すぎるが故だと思うんですよ。それに応えなくては!という律儀さがつくしにはあり、でも本来の不器用さが相まって、どうしたらいいのか分からなくなるという…。そうした彼女の苦悩が愛しい、と思いながら執筆していました。

担当の案件ではなずなだけでなく、相手方である真尋の境遇についても理解を深め、双方の状況打開を試みます。虐め問題では、被害者側の心のケアはもちろん、加害者側の心の育成も不可欠だと考えられています。その両方の役割を担えるのは、つくしが誰にも寄らない公平な視点の持ち主だからこそ、と思います。そして、いつか、なずなや真尋が精神的に自立できる日を待っているのです。



4.類について

今作の類の一番の見せ場はやはり第25~27話の独奏会だったかと思います。どうやったら彼のカッコ良さを際立たせられるだろうか、と頭を悩ませた部分でもあります。クラシック、全然詳しくないんですよ…(^_^;) いろいろと調べはしたのですが、専門知識が不足している表記もあるかと思います。その辺りはご寛恕くださいませ。

類からつくしに向ける気持ちはいつでもまっすぐで、不測の事態が起きても一切ブレることがありませんでした。実に潔い愛です。そうした類に癒されたという声をたくさんいただきました。冥利に尽きます(#^^#)

類は自分の仕事を全うしつつ、つくしの仕事も同等に尊重しています。離れていた8年間の重みを理解しているからです。簡単に手離してしまえる程度の熱意であれば、二人があれほどの苦悩を味わう必要はありませんでした。
プロのバイオリニストと弁護士。いずれも容易に就ける職種ではありません。それぞれが自分のフィールドで存分に力を発揮することが、過去の選択に報いることだと考えているのです。メルの発言にもあったように、周囲はどうしても類の方に重きを置きがちなので、それを十分に理解した上で彼はつくしを守っていきます。



5.登場人物について

今回も多くのオリジナルキャラクターを登場させました。名前をつけたキャラは24名。名無しのキャラも数名。これだけの数の名前やプロフィールを覚えていただくのは、本当に一苦労だったと思います。続編を意識するにあたり、今作の中でつくしの職場の人間関係を把握していただこうと思っていました。お付き合いいただき、ありがとうございました!

思い入れが深いのは、千石なずな、佐竹田真尋の二人です。なずなの攻撃的な言動、真尋の心の闇を書き出すのは楽しかったですね。人間性のこうした暗部に面白みを感じる性分なので、どうしても話が暗くなりがちなのですが、二人の成長や更生を願う声を多く聞くことができ、とても嬉しかったです。

『糸の証』は、4月末(トラブル発生)から8月末(カフェでの一幕)までの4ヶ月間を追った話です。ここでは完全な解決まで話を導くことはせず、未来に可能性を託しての終幕とさせていただきました。



6.訴訟について

第40話の文中にもチラッと書いたのですが、今回の民事訴訟の流れは通常とは異なります。トラブルが起きた場合、まず双方の間で話し合いがもたれ、それが解決しないために訴訟へと発展していくのです。今回の案件では、佐竹田聡美が千石社長の謝罪訪問を突っぱね、すぐ提訴してしまったため、つくしが聡美ではなく佐竹田氏に働きかけを行って話し合いの場を持ってもらう、という展開でした。流れが逆なんですね。あと反訴のタイミングなのですが、第1回期日前までに反訴するケースは少ないとも聞きました。つくし、仕事が早すぎるw

でも、もし、聡美が千石社長の謝罪を受け入れ、この問題がそこで終わってしまっていたなら、なずなも真尋も現状を打破することができずに苦しんでいたでしょう。すべて結果オーライということで、上記の例外はご寛恕いただければと思います。
当初の予定では刑事訴訟にするつもりでしたが、話の流れがより複雑になりそうだったので諦めました。今となってはその判断は正しかったなぁと思います。



7.今後の予定について

大変申し訳ないことに、現在、新しい話のストックがありません💦構想はあるので、すぐ新しい話に着手すればいいのですが、しばらく私生活が忙しくて時間が取れそうにないので、先々の見通しが立つまでブログはお休みします。再開の時期は未定です。

今回の連載中、モチベーションの上下があり、最終話をもって創作活動をやめることを何度か考えました。たぶん、誰もが一度は通る道なのだと思います。私の場合は、コロナウイルスに関連した仕事上のストレスが強いことと、隙間時間を見つけられないことが主な原因です。

でも、ここでやめてしまうのにはやっぱり未練があって、もうちょっと頑張って続けよう!という結論に至りました。休みの間に、“好き”の気持ちをチャージしなおそうと思います。

今のところ、次回作もこれまで発表した作品の続編で考えています。どのお話の続きになるのか、楽しみにしていてくださいね。隙間時間を上手くひねり出し、コツコツと執筆を続けていきたいです。





さて、今回も長々と失礼いたしました。
最後になりますが、連載及び後書きをお読みくださいました皆様に、重ね重ね御礼申し上げます。温かい応援をありがとうございました!

ブログ再開の折には、改めてアナウンスを行います。長いお休みにはならないようにしたいです。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。



関連記事
スポンサーサイト



14 Comments

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2020/08/16 (Sun) 07:11 | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2020/08/16 (Sun) 08:05 | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2020/08/16 (Sun) 08:55 | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2020/08/16 (Sun) 10:04 | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2020/08/16 (Sun) 11:06 | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2020/08/16 (Sun) 13:42 | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2020/08/16 (Sun) 16:08 | REPLY |   
nainai

nainai  

し**様

こんばんは。コメントありがとうございます。
連載、楽しんでいただけたようで何よりです~(#^^#)

つくしの奮闘、伝わりましたか? クールな澤田先生が印象深かったとのこと。私も密かに気に入っているキャラなので、そう仰っていただけて嬉しいです。虐め問題はいつか取り上げたいと思っていたテーマでした。プロットがうまく立てられず、試行錯誤の結果、どうにかこのように纏まってホッとしております。細かい設定についてきてくださり、感謝、感謝です。
テーマが重いこともあり、作中の類には癒し役に徹してもらいました。自分でも類の出番が待ち遠しくてw 二人の深い絆を表すことができて満足しております。

次回作はいつお届けできるか分かりませんが、別設定での類×つくを楽しんでいただけるようにしたいです。し**様もどうぞお体に気を付けてお過ごしくださいね。

2020/08/18 (Tue) 00:56 | REPLY |   
nainai

nainai  

あ***様

こんばんは。コメントありがとうございます(*^-^*)
今回は新婚の二人のお話でした。楽しんでいただけましたか?

民事訴訟絡みの小難しい話にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。次回作は、皆様がもう少し肩の力を抜いて、ライトに読める内容にしたいなぁと思っております。あと、糖度は高めにしたいですね!(←第一目標)

私生活の方がちょっとバタついているので、次回作の執筆開始は涼しくなってからになるかもしれません。良い作品に仕上げて、皆様にお届けできる日を楽しみにしております。ブログ再開の折には、ぜひご再訪くださいね(#^^#)

2020/08/18 (Tue) 00:59 | REPLY |   
nainai

nainai  

ゆ****様

こんばんは。
長々とした後書き、楽しんでいただけたでしょうか?

今回も連載中にたくさんのコメントをいただきましたね(*^-^*)
ハッとさせられるご意見も多く、いつも有難いと思っていました。

後書きを書くのは、最後に自分の頭の中を整理するためでもあるのですが、今作はもう少しプラスして書けた部分があったんじゃないか、と若干の後悔もあります。書き損ねた部分は『糸の証』の続編へと持ち越そうと思います!

次回も過去作品の続編です。まだ類×つくを書く楽しさから離れられそうにありません。生活に無理のない範囲で続けていきたいと思います。応援、ありがとうございました。

2020/08/18 (Tue) 01:02 | REPLY |   
nainai

nainai  

ル*様

こんばんは。コメントありがとうございます(*^-^*)
どうにか書き上げました! 今は燃え尽きて真っ白な状態ですw

今作のなずなと真尋の対立には、「あぁ、似たようなこと知ってるな…」と、読者様に10代の頃を想起させるようなリアリティを追求してみたつもりです。テーマは重かったと思うのですが、書きたい気持ちを優先して最後まで書き切ったので、個人的には満足しております。

ル*様のイメージソングを教えてくださってありがとうございます。どちらも素敵な曲だと思います~(#^^#) 私もPC作業中はいつも音楽を聴いています。音楽の持つヒーリング効果は素晴らしいですよね。

しばらくは執筆作業をお休みして、創作エネルギーをチャージしておこうと思います。次回作をお届けできる日を楽しみにしております。その折にはぜひご再訪くださいね。

2020/08/18 (Tue) 01:07 | REPLY |   
nainai

nainai  

二******様

こんばんは。コメントありがとうございます(*^^)v
残暑とは言えないほどの暑さですね。小学校から「子供に日傘を持たせてください」と初めての通達があり、とても驚いております。

長々とした後書きも楽しんでいただけましたか? 今作は明るい話ではなかったのですが、上昇型の物語に仕上げたつもりです。続編の構想はあるのですが、もうちょっと調べ物が必要なので、次は別のお話をお届けします。調べ物はけっこう時間がかかるんですよね。でも調べること自体も好きだったりします。

『コロナ鬱』という言葉が流行り出した時、『自分、なりそう!』と思いましたw 職場の同僚とは、誰が最初にかかっても恨みっこなしよ、と声を掛け合いながら仕事をしています。まだまだ困難な状況は続くと思いますが、自分にできる最善を尽くして、毎日頑張っていこうと思っております。きっと子供さんも同じようなお気持ちではないでしょうか。仲間です(#^^#)

応援ありがとうございました。再開の折には、ご再訪くださいね。

2020/08/18 (Tue) 01:18 | REPLY |   
nainai

nainai  

み****様

こんばんは。コメントありがとうございます。
ようやく完結しました! 苦労が多かった分、喜びもひとしおですw

今回は本当にたくさんの情報を詰め込みました。つくしが弁護士になったからには、虐め問題は絶対に行き当たる案件だろうと思ったので、私もしっかり向き合ってみようと思ったのです。小難しい話にお付き合いいただき、ありがとうございました。

その分、類の出番が少なくなってしまったのですが、彼の優しさ、寛容さを要所要所で書くことができ、個人的には満足しております。つくしを溺愛してますからね、彼。ちょっとやそっとじゃ心は折れません。

ブログをやめるかどうかは悩みどころでした。白黒はっきりさせたい性格なんですね。やるならやる、やれないならやめる、みたいな…。でも、手元に残している構想もまだあるし、もう少し頑張ろうと思い直しました。ブログ再開の折にはぜひご再訪くださいね。

2020/08/18 (Tue) 01:23 | REPLY |   
nainai

nainai  

m*******様

こんばんは。
いろいろとお気遣いいただきありがとうございます。
でも、ご心配には及びませんよ~(*^^)v

私が頭を悩ませていた内容は、二次創作作家であれば必ず通る道なのだと思います。実は『二次創作』『やめたい』でネット検索をかけてみたんですね。すると、同じような悩みを抱えている人はたくさんいるなぁ、と、むしろその現状に励まされましてw

子供の頃は漠然と物語を書くことが好きだったのですが、今は“類×つく”だから物語を書きたいと思っております。二次創作自体がグレーゾーンだということは重々承知の上で、類×つく推しの読者様と『好き』の気持ちを共有したくて続けております。いつかは活動にも終わりが来てしまうと思いますが、良質な作品を書きたい気持ちはまだ尽きていません(*^-^*)

励ましのお言葉、とても嬉しかったです。今は忙しくて新しい作品に着手できませんが、そのうちに必ず戻ってきます。その折には、また遊びに来てくださいね。

2020/08/18 (Tue) 01:30 | REPLY |   

Post a comment